この記事でわかること
- 「損して得取れ」ということわざの意味と、人間関係での「先出し」の考え方
- もともとマッチャー(バランス型)だった私が、先に与えるようにして変わったこと
- 先に与える人が、なぜ良い循環に入りやすいのか
- 子どもたちに、ギバー(与える人)になってほしい理由と、伝えたいこと
「子どもには、どんな大人になってほしいか」
親として、そう考えることがあります。学力や仕事も大切ですが、私が一番伝えたいのは、人に先に与えられる人になってほしい、ということです。結論から言うと、私は人間関係において「先出し」が、世の中の鉄則に近いと感じています。自分自身がそれで変われた実感があるからこそ、子どもたちにも伝えたいと思いました。今回は、その実感と、子どもに伝えたいことを書いてみます。
なぜ、子どもに伝えたいのか
理由は、私自身が、先に与えることで人間関係が変わったと感じているからです。
- 私はもともと、「もらったら返す」というバランス型のタイプだった
- 先に人へ与えることを意識するようになってから、多くの人から与えられることが増えた
- 人間関係が、良い循環に変わっていった
この循環を、子どもたちにも経験してほしいと考えています。大人になってからでも変われますが、早いうちに身につけば、その分、長く恩恵を受けられるからです。
「損して得取れ」とは
ことわざの意味は、目先の損を受け入れることで、結果的に大きな得につながる、ということです。
- 短期で見れば、損に見える行動
- 長期で見れば、信頼や関係といった、お金に換えにくい価値が積み上がる
子どもに伝えるときは、「損をしなさい」ではなく、「先に与えると、あとで自分に返ってくることがあるよ」というイメージで伝えたいと思っています。
人間関係は「先に出した側」から動き出す
人間関係やコミュニティを見ていると、関係が深まるきっかけは、たいてい誰かが先に動いたことにあります。
- 先に挨拶する
- 先に情報を共有する、先に誘う、先に手伝う
お互いが「相手が何かしてくれてから動こう」と待っていると、関係は始まりません。逆に、誰かが先に出すと、受け取った側は「自分も何か返したい」と自然に思うようになります。
前の記事で、サードプレイスを持つ大切さを書きました。気兼ねなく話せる仲間との時間は、人生を豊かにしてくれます。そうした場は、誰かが先に出した結果として成り立っている部分が大きいと感じています。
ギバー・テイカー・マッチャー
組織心理学者のアダム・グラントは、著書『GIVE & TAKE』で、人を3つのタイプに分けて論じています。
- ギバー:先に与える人
- テイカー:与えるより受け取ろうとする人
- マッチャー:与えた分だけ受け取ろうとする、バランスを取る人
研究では、成功の下位にも上位にも、ギバーが多いと言われています。差が出るのは、自分を犠牲にしすぎるか、自分の限界も見ながら与えるか、という点です。ただ与え続ければよいわけではない、ということです。
【実感】マッチャーだった私が、先に与えるようにしてみた
グラントの分類でいうと、私はもともとマッチャーだったと思います。そこから、先に人へ与えることを意識するようになりました。
- 最初は、意識しないとできなかった。「先に出そう」と、頭で考えて動いていた
- 続けるうちに、だんだん自然にできるようになっていった
- 多くの人には、「返報の法則(返報性の原理)」が働くと実感した。もらった人は、お返しをしたくなる
- その結果、私自身も、人から与えられることが多くなった
返報性の原理は、人はしてもらったことに対して、お返しをしたくなるという心理のことです。全員がそうだとは限りませんが、少なくとも私の周りでは、先に出すほうが、関係がうまく回りました。
最初は意識していたことが、自然にできるようになった。これが、私にとって大きな変化でした。無理をしている感覚がなくなると、与えること自体が負担ではなくなり、良い循環が回り続けやすくなります。
子どもたちに伝えたいこと
子どもにも、ギバーになってほしい。そのために、次のようなことを伝えていきたいと考えています。
- 見返りを期待しない → 「これだけしたのだから、返してほしい」と思うと、返ってこなかったときに不満がたまる → 返ってこなくても構わない、と思える範囲で与えるのがちょうどよい
- 自分を犠牲にしすぎない → 自分の時間やお金、気持ちを削りすぎない → 与えても、受け取るばかりで何も返さない相手とは、距離を取ってよい
- 小さなことから、先に動く → 先に挨拶する、先に声をかける、先に手伝う → 最初は意識して行い、続けるうちに自然にできるようになる
私自身も、最初は意識しながら身につけてきました。だから、子どもにも時間をかけて育てていきたいと思っています。
ただ、押し付けるのではなく、子どもの個性や性格に合わせて、一緒に考えていきたい。兄弟を比べたり、無理にやらせたりしないことは、これまでの記事でも書いたとおり、大切にしている考え方です。どう伝えていくかは、これから試行錯誤していくところなので、うまくいったことがあれば、また記事にしてお伝えします。
正直な注意点
- 先出ししても、見返りがあるとは限らない。あくまで「期待しない」姿勢が前提
- 返報の法則は多くの人に働くと感じているが、全員がそうとは限らない。あくまで私の実感
- 「鉄則」と書いたが、私個人の考えであり、状況や相手によって当てはまらないこともある
- 子どもに押し付けると、かえって窮屈になる。本人の個性に合わせることが大切
まとめ
- 子どもにこそ、「先に与える」ギバーになってほしいと考えている
- 「損して得取れ」は、目先の損を受け入れて、長期の得につなげるという意味
- 私自身、もともとはマッチャーだったが、先に与えることを意識するようになり、与えられることも増えた
- 最初は意識して行っていたが、続けるうちに自然にできるようになり、良い循環になっている
- 子どもには、見返りを期待しないこと、自分を犠牲にしすぎないこと、小さなことから先に動くことを伝えていきたい
- どう伝えるかは、子どもの個性に合わせて、これから試行錯誤していく
先に出す人が増えるほど、場は居心地のよいものになっていきます。子どもたちが、そんな循環の中で育っていってくれたらいい。そう願いながら、まずは私自身が、先に出す姿を見せていきたいと思っています。

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