- 学資保険の仕組みと中身
- 学資保険に含まれる「保険部分」と「貯蓄部分」
- 保険と投資を分けて考えるとどうなるか
- インフレ負けという視点
- 我が家が1人目だけ加入して後悔した理由
「子供が生まれたら学資保険」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。でも学資保険の中身をきちんと理解した上で加入している人は少ないのが実態です。我が家も1人目のときは「みんなが入っているから」という理由で加入しました。後から仕組みを理解したとき、もっと早く知りたかったと思いました。今回は学資保険の中身を正しく理解した上で、「本当に必要かどうか」を考えるための記事です。
学資保険とは何か
学資保険とは、子供の教育費を積み立てるための保険商品です。毎月一定の保険料を支払い、子供が18歳になるタイミングなどで満期保険金として受け取れる仕組みです。
学資保険の中身 ↓ ① 貯蓄部分(積み立てたお金が戻ってくる) + ② 保険部分(契約者(親)が亡くなった場合の保障)
学資保険の「貯蓄部分」を正しく理解する
返戻率とは → 支払った保険料の合計に対して受け取れる満期保険金の割合 例:返戻率105%の場合 → 200万円支払った → 210万円受け取れる
返戻率105%の学資保険に18年間加入した場合 ↓ 実質的な利回りを計算すると年率約0.27%程度 ↓ 銀行の定期預金とほぼ変わらない水準
18年間お金を拘束されて、得られるリターンが年率0.27%程度。これが学資保険の貯蓄部分の実態です。
学資保険の「保険部分」を正しく理解する
学資保険には「契約者(親)が亡くなった場合、以後の保険料の支払いが免除され、満期保険金が受け取れる」という保障が付いています。これは確かに価値のある保障です。しかしよく考えてみてください。
この「保障」のために ↓ 低い利回りの貯蓄部分とセットで加入している ↓ 保険料の中に「保障コスト」が含まれている ↓ その分、貯蓄部分の利回りが低くなっている
保険と投資を分けて考えるとどうなるか
「保険」と「投資(貯蓄)」を一つの商品にまとめているから非効率になるというのが、学資保険の本質的な問題点です。
保険部分だけを考えると → 親が亡くなった場合の保障は → 掛け捨ての生命保険(定期保険)で十分カバーできる → しかも学資保険より格段に安い保険料で 貯蓄・投資部分だけを考えると → 年率0.27%程度の学資保険より → 新NISAでインデックス投資をしたほうが → 長期的に高いリターンが期待できる
学資保険(保険+貯蓄がセット) ↓ 保険部分:割高 / 貯蓄部分:低利回り 分けた場合 ↓ 保険部分:掛け捨て定期保険(安い) 貯蓄部分:新NISAでインデックス投資(高リターン期待)
数字で比較してみる
学資保険の場合(返戻率105%・18年間・月1万円) 支払い総額:216万円 / 受取金額:約226万円 18年後の差額:約10万円 / 実質年利:約0.27% 同じ金額を新NISAでインデックス投資した場合(年利5%想定) 積立元本:216万円 / 運用後の資産:約340万円 18年後の差額:約124万円 学資保険:約226万円 インデックス投資:約340万円 ↓ 差額:約114万円
もちろんインデックス投資は元本割れのリスクがあります。ただ18年という長い期間があれば、リスクを取る分だけリターンも大きくなる可能性が高いです。
インデックス投資のリスクは「長期投資」で大幅に軽減できる
オルカン・S&P500などの優良なインデックスファンドは、過去のデータを見ると15年以上投資を続けた場合、どのタイミングで購入してもマイナスになったことがありませんでした。これは過去のデータに基づくものであり、将来を保証するものではありません。しかし学資保険の積立期間は18年。この期間と長期投資の考え方は非常に相性が良いと言えます。
万が一マイナスになっていても対処できる 対処法①:ある程度現金を別に持っておく → 取り崩し時に相場が下がっていても現金から教育費を出す → 投資をそのまま保有し続けられる 対処法②:取り崩し額を減らして投資期間を長くする → 大学入学時に全額取り崩さず必要な分だけ少しずつ取り崩す → 残りは投資を続け、時間をかけてプラスに転換を待つ
インフレ負けという視点
18年前に100万円で買えたもの ↓ 今は110万円・120万円必要かもしれない ↓ 学資保険で105万円受け取っても ↓ 実質的な購買力はマイナスになっている可能性がある
これを「インフレ負け」と言います。学資保険の返戻率105%(年率約0.27%)に対し、インフレ率が1〜2%の場合、実質的にはお金の価値が目減りしています。「確実に増える」という言葉の裏に「インフレには負けている」という現実があります。インデックス投資であれば、長期的にはインフレを上回るリターンが期待できます。
学資保険が向いているケース
① 投資が怖くてお金を動かせない人 → 元本保証があるという安心感がある ② 確実に一定額を用意したい人 → 相場の影響を受けずに確実に積み立てたい ③ 親に万が一があった場合の保障を重視する人 → 保険料免除の保障に価値を感じる
ただしこれらの理由も、冷静に分解して考えると別の解決策がある場合が多いです。「元本保証の安心感が欲しい」→ 学資保険でなく定期預金でも同様。「万が一の保障が欲しい」→ 掛け捨て生命保険で別途カバー。「強制的に積み立てたい」→ 新NISAの自動積立設定で代替可能。
我が家が1人目だけ加入して後悔した理由
1人目が生まれたとき、仕組みをきちんと理解せず加入してしまいました。後から冷静に仕組みを理解したとき、3つの大きな見落としに気づきました。
見落とし①:優良なインデックス投資の存在を知らなかった
当時はオルカン・S&P500のような低コストで世界分散できるインデックスファンドについて、ほとんど知識がありませんでした。知っていれば同じ金額をインデックス投資に回し、選択肢を比較した上で判断できたはずです。
見落とし②:年率に換算すると極めて低い利回りだと気づかなかった
「返戻率105%」という数字だけ見て「5%増える」と思っていました。しかし年率に換算すると約0.27%。18年間お金を拘束されて、得られるリターンは銀行預金と大差ない水準でした。
見落とし③:インフレ負けという発想がなかった
当時の私には「インフレ負け」という発想が全くありませんでした。物価が上がり続ける世の中では、年率0.27%の利回りでは実質的にお金の価値が目減りしていくという現実を理解していませんでした。インデックス投資であれば長期的にインフレを上回るリターンが期待できます。この差がわかっていなかったことが、一番の後悔です。
ただし1人目は途中解約すると元本割れするため、最後までやり切りました。解約して損失を確定させるより、契約通り受け取る方が合理的だったからです。2人目・3人目は学資保険に加入せず、新NISAで積み立てています。
まとめ
- 学資保険は「保険部分」と「貯蓄部分」が一つになった商品
- 貯蓄部分の実質利回りは年率0.27%程度と極めて低い
- 保険と投資を分けて考えると、それぞれを別々に最適化できる
- 保険部分は掛け捨て定期保険・貯蓄部分は新NISAで代替できる
- 同じ月1万円を18年積み立てた場合、学資保険より投資のほうが約114万円多くなる計算(年利5%想定)
- 優良なインデックスは15年以上の長期投資で過去マイナスになったことがない
- インフレ率が1〜2%の場合、年率0.27%の学資保険は実質的にインフレ負けしている
- すでに加入している場合は途中解約より満期まで続けるほうが合理的なことが多い
「学資保険は子供のために良いもの」という思い込みを外して、仕組みを正しく理解した上で判断することが大切です。
⚠️ 保険・投資の選択は個人の状況によって最適解が異なります。

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